風邪&読書感想文
予想より鼻かぜが悪化したので昨日今日と筋トレ・BMSはお休み。悪化する前にやっといてよかったです。明日はなんとか再開したいんだけどなあ・・・
暇つぶしにベストセラーで気になってたサピエンス全史を読了。単に人類の歴史を振り返るだけでなく、幸福論や未来の考察が示唆に富んでいて面白かったです。特に農業革命を「小麦が人間を家畜化した詐欺」と論じているのには目から鱗でした。
個人的に10年くらい前から、「技術進歩は本当にQOL(Quality of life)に貢献しているのか?」という疑問を持っていました。世の中はどんどん便利になっているのに仕事は忙しくなるばかり。ITは確かに業務の効率を飛躍的に上げたけど、労働者への負荷はむしろ高まっている面もあります。いったい誰のための技術なのか?
その答えがこの本にありました。要は「種の繁栄は必ずしも各個体に幸福をもたらさない」ということです。例えば、農業革命で人間は圧倒的に個体数を増やしましたが、これは種の勝利と言えます。しかし農業によって人間は旱魃・飢饉・戦争・税収(年貢)等のリスクを背負うことになり、狩猟時代に比べて個人が幸福になったとはとても言えません。
もっと端的な例を取り上げると、世界で最も繁栄している(個体数の多い)動物は家畜化されている豚や牛ですが、はたして最も繁栄している家畜と野生動物のどちらが幸せなのか?幸福度を測る方法が無いとは言え、その答えは自明だと思います。
そんな訳で、技術進歩も人類に繁栄をもたらす一方、個々人を幸せにしている訳では無いんだなあ、と理解できました。もちろん昔に比べて便利になっちゃいるんですけどね。その便利さとQOLに相関関係は無いというのは直感的に理解しにくい事実です。
今日は農業革命と現代技術しか取り上げませんでしたが、この本には他にも面白いトピックが盛りだくさんで非常に面白いです。寝る前の読書にもオススメ。